#5◆ プラセンタ療法
胎盤のことをプラセンタといいます。胎盤は、1mm程の受精卵を10ヶ月の間、胎児と母体の仲立ちをして一人の人間にまで育て上げる働きをします。このように胎盤は、胎児を育む臓器ですが、胎盤は元々母体に由来する臓器ではありません。発生学的には胎盤と胎児は、同一の起源をもつものです。そのエキス中には、タンパク質、ビタミン、ミネラル、様々な酵素、メラニン色素の生成阻害物質、上皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、免疫活性物質などが含まれています。そのため、中国では滋養強壮の薬、不老長寿の薬として使用されてきました。
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効能および薬効
1) 美白効果
2) シミ取り効果
3) シワ取り効果、ニキビ痕の改善
4) 更年期障害の改善、肝機能を改善する
◆ プラセンタ・エキスの有効成分
1) メラニン色素の生成阻害物質−チロシナーゼと呼ばれる酵素は、アミノ酸のチロシンからメラニン顆粒が産生されるのを触媒する酵素です。この酵素の働きの抑制により美白効果が期待できます。
2) 上皮細胞増殖因子(EGF)−表皮の細胞が新たにできてから角質化して剥がれ落ちるまでの間隔は、加齢と共に大幅に遅延していきます。つまり、新しい皮膚が出来上がるまでに日数がかかるようになってしまいます。EGFは、皮膚の細胞分裂を活性化し、新陳代謝が盛んにし、新しい肌が作りだします。
3) 線維芽細胞増殖因子(FGF)―加齢などによるコラーゲン密度の低下や皮膚の弾力の低下、乾燥肌などは線維芽細胞の活性の著しい低下が原因です。FGFは、線維芽細胞に直接働きかけコラーゲンやヒアルロン酸の産生を増やします。シミ、ニキビ痕に有効です。
4) 免疫物質であるサイトカインや多様な生理活性成分により更年期障害の改善、肝機能を改善が期待できます。
※ 日本国内では、1959年にプラセンタ製剤として「ラエンネック」が肝機能改善薬として、「メルスモン」が更年期障害改善薬として厚生労働省から医薬品として認可を受けています。当院では、この二つを使用しています。
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製品の安全性
ヒト・プラセンタ抽出物100%。日本国内で、満期正常分娩により出産した方の「胎盤」を材料とし高圧蒸気殺菌されたホルモンを含まない医薬品です。
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使用方法
健康維持のため週に1〜2回継続的に、または疲労時や肌が疲れたときのレスキュー剤としての注射がおこなわれています。投与方法としては、「皮下注射」する方法と、ビタミン剤などを含めた「プラセンタ・カクテル点滴」などもおこなわれています。
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